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2005/03/15

風媒花

自分が花粉症であることに気付いてから数年、早春は憂鬱な季節となってしまった。
……という話は前にも書いたので置いといて、花粉についてWebの「花粉症対策のページ」にはあまり書かれない植物学的なことを、脳内のメモリーからダウンロードしておこう(思い出してメモするってコト!)。

スギやヒノキ、マツなどの「風媒花」は、大量の花粉を風に乗せ、雄花から雌花へと到達させる。
一方、アブラナにしろサクラにしろ、綺麗な花を咲かせる「虫媒花」は、色や形やにおいで昆虫を呼び寄せ、代金として蜜を与えて、花粉を運ばせる。

植物の系統から見ると、スギなどは原始的な「裸子植物」であり、サクラなどは(スギなどに比べて)進化した「被子植物」である。
最も進化した植物であるとされるランの仲間の花の中には、特定の昆虫のメスそっくりの形でオスを誘うものすらいるという。
じゃあ、植物は進化すると風媒花から虫媒花になるのか、というと、そういうわけでもないのだ。

ランとともに、進化の度合い(特殊化の度合い)が進んだ植物として、イネ科とキク科が挙げられる。
イネ科のカモガヤや、キク科のブタクサは、花粉症を引き起こす原因植物だ。地味な花を咲かせ、多量の花粉をばら撒く風媒花なのである。

被子植物(花を咲かせる植物)は進化の過程で、風媒花から虫媒花へと特殊化していったものと、再び風媒花に戻ったものに分かれたのだろうか。
それにしても、タンポポのような虫媒花とブタクサのような風媒花がともに属するキク科というヤツには、生命力の強さを感じる。

核戦争なり何なりで人類が滅んだ後、廃墟を覆うのはジャングルではなく、草原ではないかと想像する。
風にそよぐイネ科の草原のあちこちに、キク科の花が咲く。
しかし、すべて風媒花で、花粉を運ぶ昆虫の姿はない。
そして、花粉症に悩む人々も、誰もいない。

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