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2005/01/16

タイタンの眺め

ESA(欧州宇宙機構)の土星探査機カッシーニから分離された衛星探査機ホイヘンスが土星の月、タイタンに着陸した。
TVでの取り上げ方は低調なので(酷い、というか情けない事件が多いからね)とりあえずは、ESAとNASAのページで確認してみた。

ESA - Cassini-Huygens
Science & Technology: Cassini-Huygens(ESA)
NASA - First Look at Titan

NASAの記事がコンパクトにまとまっていて判りやすかった。
ESAの「ホイヘンスが降下中に録音したタイタンの風の音」なんても面白い。
子供にウケたのは、「ホイヘンスのレーダーとその反響」の音声ファイルだ。
まるで『スターウォーズ』のR2-D2のようで、健気ですらある。

7年以上の旅を経て、ホイヘンスはタイタンに降下し、陸地と川、海岸のように見える映像を送ってきた。
そして着陸地点の周囲の映像はというと、まるでバイキングなどが送ってきた火星の地表の写真のようだった。
ただし、地表に転がっている丸い塊は、岩ではなく水と炭化水素(メタンなど)の混合物の氷らしい。

いやぁ、面白いことになってきた。
高度5マイルから撮影された写真を見ると、しっかりした氷の大地や川があるようなので、有人基地くらい置けそうだ。
何十年か後には、クラークの『地球帝国』に描かれたような植民地もできるのだろうか。

酸素がなくメタンなどの有機物の多いタイタンの環境は、「原始の地球」のようだと言われる。
そして、生命が存在するかどうかも今後調べられていくだろう。
もし、生命の兆候がなかったとしても、それは「ワシらに似た生命」、つまり核酸とタンパク質を基盤とした生命が見当たらなかった、ということに過ぎないのかもしれない。
何といっても、ワシらは「地球産」の一種類の生命しか知らんのだ。

いやはや、この宇宙にはこれだけ面白いことがあるというのに、霊界とか血液型による人種差別とか、そういったくだらない(とワシが考える)ものに多大の時間を費やす日本のマスコミは、つくづく馬鹿だねぇ。
もちろん、それを望んでいる馬鹿のほうがもっと馬鹿だが。
自分のアタマの中の妄想や集団幻想を追い求めていないで、この宇宙や地球の「現実」を見て、賛美するほうが楽しいと思うのだけどねぇ。

そういえば、いまどきの中学生や高校生は、「理科や社会科って、生活の役に立たないから面白くない」なんてことを言う。
まったく、何言ってんだい。
口先だけの偉そうな奴に騙されないようにするための道具として役に立つし、サバイバルにも役に立つし、それだけじゃない。
理科や社会科は、「自然」や「文化」を楽しむための基礎知識なんだぜ。
みんな、もっと勉強しようよ。

今度の晴れた夜、また土星を見上げてみようと思う。
今頃は、冬の大三角形の北側、ふたご座の中に見えるはずだ。
その土星の周りをめぐるタイタンの大地に、ワシら「人類」が送り込んだ小さなロボットが降り立っているのだから。

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» 生命の起源に迫る [Wein, Weib und Gesang]
ダルムシュタットのESAセンターからの情報は、非常に刺激的である。土星の惑星タイタンはその重力や温度や大気から太古の地球に近いといわれる。天文学に詳しくなくとも... [続きを読む]

受信: 2005/01/16 15:58

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